当科の紹介

小杉山清隆　北海道大学病院　医員
平成7年卒
小児科学会専門医

外来患者数　　60人/年（のべ）
入院患者数　　2〜3人/年（のべ）

代謝疾患にはアミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、尿素サイクル異常症（高アンモニア血症など）、糖質代謝異常症（糖原病、ガラクトース血症など）、脂質代謝異常症、ライソゾーム病などが含まれています。それぞれ、生体内の酵素の働きが悪くなることで、物質の代謝（合成や分解）がうまく行かなくなって発症するため、代謝疾患と呼ばれています。

1.稀ではあるが多岐にわたる代謝疾患の診療
2.新生児マススクリーニングで発見された代謝疾患の精密検査
3.高アンモニア血症、代謝性アシドーシス、低血糖、高乳酸血症、ケトン体の異常などを呈する代謝疾患疑い症例の診療、コンサルト
4.ムコ多糖症、ポンペ病、ファブリー病などライソゾーム病の診療、酵素補充療法
5.高コレステロール血症など脂質異常症の診療
6.ウイルソン病、シトリン欠損症および黄疸、胆汁うっ滞、脂肪肝、肝障害などを呈する消化器疾患の診療

【発表論文】
1.Kubota M： Oral Immunization with Simian Immunodeficiency Virus p55gag and Cholera Toxin Elicits Both Mucosal IgA and Systemic IgG Immune Responses in Nonhuman Primates. J Immunol 158: 5321-5329, 1997
2.窪田満：粘膜免疫と感染症予防-経粘膜ワクチンの開発-. 化学と生物 35(6): 415-420, 1997
3.窪田満： 食物アレルギーの成因を考える 粘膜の免疫構造. 小児科臨床 51: 1923-1930, 1998
4.窪田満： 抗原特異的分泌型IgAは乳児期早期から消化管粘膜で産生される. 消化器と免疫 35: 112-116, 1998
5.窪田満：小児H.pylori感染と胃粘膜局所の免疫応答. 消化器と免疫 36: 118-122, 1999
6.谷口直子：肝動脈低形成に起因する虚血性肝機能障害の女児例. 日本小児科学会雑誌104(10): 1031-1034, 2000
7.窪田満：生体肝移植を受けたOTC欠損症の16才男児. 特殊ミルク情報 36: 18-22, 2000
8.窪田満：安息香酸ナトリウムとフェニル酢酸ナトリウム. 小児内科 33(7) : 954-959, 2001
9.小西祥平：MRCPおよび腹部超音波検査が胆道閉鎖症との鑑別に有用であった乳児サイトメガロウイルス肝炎の2例. 日本小児栄養消化器肝臓学会雑誌15(2): 107-113, 2001
10.窪田満: 腸管リンパ組織の発達と抗原刺激. 臨床免疫 37(4) : 381-386, 2002
11.窪田満：食物アレルギー. 小児内科 34(7): 1137-1141, 2002
12.窪田満：分泌型IgAの構造と機能、及び産生誘導機構. アレルギー・免疫 9(9): 120-123, 2002
13.佐藤智信：肝不全に進行し生体肝移植で救命しえた特発性新生児肝炎の1例. 日本小児科学会雑誌 107: 1659-1663, 2003
14.窪田満：小児の便秘症とfecal soiling. LIBRA 37: 5, 2003
15.小杉山清隆：小児Helicobacter pylori感染性胃炎および十二指腸潰瘍の除菌前後の胃粘膜における粘膜免疫学的検討. 北海道医学雑誌79, 2004
16.窪田満：そこが知りたい小児の肝・胆道疾患 家族性肝内胆汁うっ滞症の肝移植以外の治療法は？ 小児内科 36: 1283-1285, 2004
17.窪田満：小児慢性下痢症の治療の進歩 乳児難治性下痢症. 小児科 45: 2278-2284, 2004
18.窪田満：【小児の食と栄養Q&A】栄養所要量　小児で欠乏しやすいビタミン,ミネラルは?(解説/特集)小児内科 37: 619-622, 2005
19.小杉山清隆、伊丹儀友: 高ナトリウム血症　マニトール、グリセオール投与. 小児内科 45: 1589-1593, 2013
20. 小杉山清隆、城和歌子、窪田満: 発達遅滞と体重増加不良により発見された遅発型グルタル酸血症II型の1例. 特殊ミルク情報49: 44-51,2013

【学会発表（全国学会、国際学会）】
•窪田満：サル免疫不全ウイルスp55gagとコレラ毒素による経口ワクチンはIgA反応に関連した粘膜型Th1及びTh2細胞を誘導する（日本免疫学会）
•窪田満：小児難治性下痢症における粘膜免疫学的な検討（日本免疫学会）
•Mitsuru KUBOTA：Role for Mucosal Immunity in Infantile Intractable Diarrhea（ICMI, Amsterdam）
•窪田満：抗原特異的分泌型IgAは乳児期早期から消化管粘膜で産生される（小児科学会、消化器免疫）
•窪田満：ヒト新生児消化管粘膜の免疫学的発達と食物抗原刺激の重要性（日本免疫学会、消化器免疫）
•窪田満：GERへのアレルギーの関与についての組織学的検討（栄養消化器）
•Mitsuru KUBOTA：Infantile Gastro-Esophageal Reflux Disease Shows an Inflammation Associated with the Interaction of Macrophages, Mast Cells and Substance P (ICMI, Orland)
•窪田満：小児H. pylori感染と胃粘膜局所の免疫応答（消化器免疫、栄養消化器）
•窪田満：小児期H. pylori感染から成人期H. pylori感染への変化のメカニズム（栄養消化器）
•小杉山清隆：小児H.pylori胃炎除菌前後における粘膜免疫学的検討（小児H.p.）
•小杉山清隆：小児Hp胃炎胃粘膜組織におけるToll-like receptor -2, -4の発現?除菌前後の比較検討（小児H.p.）
•Kiyotaka KOSUGIYAMA：Comparison of pre- and post-eradication about mucosal immunity in Helicobacter pylori-infected gastric mucosa from child patients (ICMI, Orland)
•小杉山清隆：乳児期からヒスチジン銅補充療法を開始されたOccipital horn syndromeの1例（先天代謝）
•窪田満：尿素サイクル異常症の治療? 薬物療法の実際とその限界 ?（先天代謝シンポジウム）
•窪田満：ornithine transcarbamylase酵素異常は肝機能障害の原因となりうるか（先天代謝）
•小杉山清隆：新生児期発症のオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症にＸ連鎖遺伝型慢性肉芽腫症を合併した男児例（先天代謝）
•小杉山清隆：直腸出血で発症した直腸周囲軟部組織内血管腫の1例（栄養消化器）
•窪田満：肝機能障害の発症前に先天代謝異常スクリーニングにて診断できたシトリン欠損症の1新生児例 （先天代謝）
•窪田満：progressive familial intrahepatic cholestasis (PFIC) の治療ー内科的治療、胆汁外瘻、生体部分肝移植の比較ー （栄養消化器） 窪田満：生体部分肝移植を行った原因不明の乳児期肝硬変の1例 ?シトリン欠損症でも糖原病でもない ?（栄養消化器、先天代謝）
•竹田優子：ornithine transcarbamylase欠損症に対する生体部分肝移植後に急性骨髄性白血病を発症した女児例（先天代謝）
•窪田満：新生児スクリーニングで発見される先天代謝異常症（日本マス・スクリーニング学会技術部会）
•窪田満：小児消化管の粘膜免疫学的発達（大阪小児栄養消化器研究会）
•窪田満：習慣性便秘症とfecal soilingの治療（小児科学会）

【学会発表（地方学会、ブロック学会）】
•窪田満：小腸生検にて治療方針を決定した難治性下痢症の1例ー免疫組織化学及び分子生物学的検討ー
•窪田満：multiple carboxylase deficiency (early form) の1例と診断のプロセス
•窪田満：腎不全で発症した原発性高シュウ酸尿症I型の1例
•中井忍：慢性肝炎、ペルテス病として治療されていたShwachman-Diamond症候群の1例
•田中洋充：ムコリピドーシスII型、III型の中間型と考えられた1例
•大倉有加：肝型糖原病（I型を除く）の4例
•渡辺麻衣子：骨髄移植を施行したHunter症候群の1例
•中村明枝：ヒスチジン銅皮下注でMRSによる乳酸ピークの改善を見たMenkes病の1例
•小杉山清隆：劇症肝炎型Wilson病に対する生体肝移植の1例
•佐藤智信：生体肝移植で救命しえた亜急性に進行する原因不明の特発性新生児肝炎の臨床経過（日児誌）
•秋元琢真：進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に対してpartial external biliary diversion（PEBD）を施行した1例
•里見達郎：急性肝不全を発症後、早期に診断し救命し得た劇症型Wilson病の1例
•小西祥平：MRCPで胆道閉鎖症を否定できた乳児肝炎の2例（栄養消化器誌）
•植田佑樹：原因不明の乳児期肝硬変の1例
•竹田優子：Morquio症候群との鑑別が困難であったPseudoachondroplasiaの1例
•窪田満：不適切な治療でフェニルアラニン欠乏による重篤な症状をきたしたフェニルケトン尿症の1例
•窪田満：生体肝移植を施行した小児期の劇症肝不全ー特にウィルソン氏病を中心にー
•窪田満：当院で作成した新しいヒスチジン銅皮下注射の治療効果
•窪田満：不適切な治療でフェニルアラニン欠乏による重篤な症状をきたしたフェニルケトン尿症の1例
•窪田満：小児の肝移植?胆道閉鎖症とそれ以外の症例?
•窪田満：北海道大学病院における小児期の肝移植とその適応基準に関する検討
•竹田優子：腹腔鏡下全結腸切除術を施行した潰瘍性大腸炎の女児例
•古瀬優太：生後早期に発症したメチルマロン酸血症の一例

【代謝消化器班の学位取得論文】
窪田 満
Oral Immunization with Simian Immunodeficiency Virus p55gag and Cholera Toxin Elicits Both Mucosal IgA and Systemic IgG Immune Responses in Nonhuman Primates.
（サル免疫不全ウィルスp55gag蛋白とコレラ毒素による経口免疫はサルに粘膜型IgAと全身型IgGの免疫反応を誘導する）

小杉山 清隆
小児Helicobacter pylori感染性胃炎および十二指腸潰瘍の除菌前後の胃粘膜における粘膜免疫学的検討

木田 和宏
タンデムマス質量分析計を用いた新生児ろ紙血中グリコサミノグリカン量の検討 (MS/MSを用いた新生児GAG量の検討)

【学会活動（委員会委員など）】
小杉山清隆
日本マススクリーニング学会（評議員）
日本小児脂質研究会　運営委員
東北・北海道代謝異常症研究会（世話人）
北海道先天代謝異常症研究会（世話人）
北海道小児消化器病フォーラム（世話人）

【社会貢献】
札幌市　新生児・乳児マス・スクリーニング事業メディカルコンサルタント
北海道　先天性代謝異常等相談医